消費税から見える日本社会のゆがみ――2025年参議院選挙を前に考える
こんにちは。藁総合会計事務所です。
2025年7月20日に投開票を迎える参議院選挙が迫る中、各政党から「消費税はお金持ち優遇」「消費税を減税して手取りを増やす」「給付金で生活支援を」といった政策が掲げられています。
しかし、これらのスローガンの背景にある本質的な問いに、私たちはしっかりと向き合えているでしょうか?
本コラムでは、消費税を起点に、格差・教育・政治参加・文化といった日本社会の構造的な課題を紐解き、今回の選挙を「未来の社会像を選ぶ機会」として捉える視点をお届けします。
■ 消費税は本当に“公平”なのか?
消費税は、一見すると誰にも同じ税率がかかる「公平な税制」に見えます。
しかし、収入の多寡によって実質的な負担率は大きく異なります。生活の大部分を消費に充てる低所得層にとって、消費税は実質的に重くのしかかります。これを「逆進性」と呼びます。
高所得層や法人は、さまざまな節税手段を通じて他の税から逃れる術を持っていますが、消費税だけは逃れにくい。この点において、消費税の増税は「取りやすいところから取る」構造になりがちなのです。
所得税減額承認申請
📝 所得税の予定納税額 減額承認申請のご案内
事業の業績不振や災害、扶養親族の増加などにより、当年の所得見込みが減少する場合――
**「所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額承認申請」**が可能です。
✔️ どんなときに利用できる?
以下のいずれかに該当する場合に申請できます(国税庁)
- 個人事業を廃業・休業・失業した
- 業績不振などにより前年より所得が減少する見込み
- 災害・盗難・横領による損害がある
- 所得控除・税額控除が前年より増え、結果所得税が減る見込み
- その他、特殊な事情がある場合
愛されたい! 良い人でありたい?| 税務・会計の専門家 藁総合会計事務所
『way to the Top 2023年8月号』より
誰もが「愛されていたい。」と望みます。「嫌われていたい」と思っている人は特別な事情があるはずです。
愛されていれば、ビジネスも成功しやすい。なぜなら、声をかけられやすいからです。にもかかわらず、なぜ無礼な態度や言葉遣いをする人がいるのでしょうか。相手に対する尊敬や配慮を欠く行動や言動は、人を不愉快にします。多分、そんな行動や言動をする人にその自覚はありません。
周りを見渡してそのような人を探す前に、自分の行動を顧みてください。
・部下を人前であざける、軽く扱う。
・部下の仕事ぶりを常に過小評価し、自分の組織の中での地位は低い地位と思い込ませる。
・部下を心が傷つくほどひどくからかう。
・成功したときの手柄は自分のものにするが、何らか問題が生じたときには他人のせいにする。
このような無礼な態度や言動だけが、人を不愉快にするのではありません。どのような行為や言動も相手がどう感じたかです。「尊敬や配慮を欠く扱いを受けた」と相手が感じるかどうかなのです。
所得税の季節です。申告忘れがないようにしてください。
所得税の申告期間が迫ってきました。
各税金の申告期間は以下の通りです。納税は申告期間の最終日までとなります。
申告期間中に申告をしないと、様々なペナルティを受けることになります。
所得税 令和7年2月17日(月)~3月17日(月)
贈与税 令和7年2月03日(月)~3月17日(月)
消費税 令和7年1月 ~3月31日(月)
振替納税を選択している場合の振替日は以下の通りです。
引き落とし不能とならないように前日には残高の確認をしてください。
所得税 令和7年4月23日(水)
消費税 令和7年4月30日(水)
令和6年路線価は、正誤表を必ず確認して!
令和6年路線価図は、必ず正誤表を確認してください。
東京局の荏原税務署管内と目黒税務署管内の一部の地域の「路線価図等の正誤表」(令和6年12月12日)が掲載されています。
令和7年1月15日(水)現在、路線価図は訂正されていないので、必ず正誤表を確認する必要があります。
受験資格の緩和による税理士試験の概観
令和2年(第70回)から令和6年(第74回)に至る税理士試験の推移を振り返ると、受験者数や合格率、受験生属性の変化が相互に影響し合いながら、大きく様変わりしていることがうかがえます。令和2年から令和4年までは合格率が概ね15~19%台で安定的に推移していましたが、令和5年に全体合格率が21.7%と高水準に達し、翌令和6年には16.6%まで急低下するという短期的な変動が顕著です。科目別では、令和5年に財務諸表論の合格率が約28%と極端に高かったのに対し、令和6年には8%まで落ち込むなど、年度間での難易度調整や出題傾向の違いが合格率に大きく影響しているようです。
一方、受験資格の緩和による大学生(「大学在学中」区分)の増加は、ここ数年の最も大きなトピックといえます。従来は一定の履修科目・単位が必要だったため、在学中の受験は少数派でした。しかし、令和5年以降においては「大学在学中」受験者が2,000名を超え、令和6年には2,461名まで増加するなど、若年層が早期から科目合格を積み重ねられる環境が整いつつあります。合格率の面でも、令和5年には30%超、令和6年はやや下がったものの26%台と、依然として全体平均を大きく上回る数値を保っており、若手の参入が業界に与える影響は無視できないレベルに達しています。
年末年始の営業のご案内
師走の候、今年も残すところわずかとなりました。
本年は、格別のご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます。
年末年始の営業の案内をさせていただきます。
当事務所では、2024年12月28日(土)より2025年1月5日(日)まで年末年始休業とさせて頂きます。
御迷惑をおかけいたしますが、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
来年も本年同様、変わらぬご厚情を賜りますようお願い申しあげます。
米国と日本の税制改正プロセスの違いが大きい!
毎年の恒例行事の税制改正が、今年は103万円やガソリンの税金、防衛費の為の増税などで大きな注目を集めているところです。そんな中で、日本と米国の税制改正プロセスの比較から本質的な問題点を考察してみます。
日本の税制改正が毎年の年度予算編成プロセスの中にあることが、一番の問題となります。
日本は、新年度の歳出計画に見合う歳入を確保するために、与党税制調査会や財務省などの官僚が中心となり、年末から年始にかけて税制改正大綱を策定します。このことは税制が単年ごとの財源確保や部分的な政策誘導のために用いられることで、抜本的な制度改革よりも、利害調整を繰り返す小刻みな改正が常態化することになります。その結果、政策上の理念や中長期的な税制の安定性・合理性といった観点よりも、当面の財源補填や産業・業界団体の要望への対応が優先されやすく、税制全体が複雑化・不透明化しやすくなります。
税制が政治的配慮や予算確保という短期目標に引きずられ、中長期的な体系性や簡素化、公平性の確保といった重要な指標が後回しになり「税制のゆがみ」を生みだすことになります。
国税庁の相続税の事績、調査の状況から読み取れ!
国税庁が公表した「相続税申告の状況について(令和5年事務年度分)」および「相続税調査の状況について(令和5年事務年度分)」という2つのデータから、納税者が相続において、どのようなトラブルや追加負担が防げるかについて説明します。
1. 相続税申告件数や課税件数の傾向から学ぶこと
公表データからは、毎年死亡者のうち約10%の死亡者の遺産が相続税の申告の対象となっています。平成27年の相続税の基礎控除の引き上げによりそれまでの相続税の申告割りありが4.4%から8%に、その後現在の9.9%に増え続きています。
そして、令和5年事務年度の相続税の税収は約3兆円となり、改正以前の1.4兆円から大幅に増えています。
早めの情報収集と試算
相続発生前から大まかな遺産総額や借入金などを整理し、相続税が発生しそうか、申告対象になりそうかを見極めることが重要です。事前におおよその資産評価を行うことで、相続税申告の必要性や、どの程度の税負担が見込まれるかを把握できます。