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相続で注意すべき事 | 税務・会計の専門家 藁総合会計事務所

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相続があった場合、相続税を支払うのは相続人です。あなたが亡くなった場合はその配偶者や子供らが相続税を支払う義務が生じます。相続税の節税は何のためにするのかといえば、財産を配偶者や子孫に残すためあるいは負担を最小限に抑えるためといえますが、それには生前に何らかの対策を立てることが必要です。というのも、相続税の節税はいざ相続となってからやりくりするより事前の対策による効果が圧倒的に大きいからです。このことをまず理解しなければなりません。

【自分の財産を点検しよう】


相続税の節税を図るためにはまず、自分の財産を点検することから始めます。その上で節税するための方法を考えます。その際には相続税の仕組みを知ることが重要ですが、要点は2点です。「①相続財産を減らす②財産を節税上有利なものに代える」相続財産を減らすというのは、相続時までに配偶者や子に贈与あるいは売却などを行って、相続時の財産を減らし、相続税を少なくすることです。上手に贈与を繰り返せば、相続税をゼロにすることも可能です。また、相続財産は決められた方法で金額評価されますので、不動産などは実際の売却価額をかけ離れることは少なくありません。従って、不利な財産は早めに処分するとか、評価を下げる方策をして相続時の節税を図ることが重要です。以上のことは、相続開始後に実施するのは困難ですから、事前に対策をする必要があります。

【墓地、仏壇などを取得する】


財産には税法の規定で相続税がかからない非課税財産があります。主なものとして墓地、仏壇、祭具等が挙げられます。これらは、相続開始後に購入した場合にはなんら控除をうけることができません。生前に購入しておけば相続財産に含まれませんので、その購入資金分の相続財産が減少することになり節税が図れます。

【生命保険金の非課税枠を利用する】


相続財産には生命保険金も相続により取得したものとみなされます。ただし、生命保険金については残された家族の生活を支えるものとしての配慮から、五百万円×法定相続人で計算した金額が非課税枠として実際の受け取る生命保険金から控除できます。例えば配偶者と子供2人が法定相続人の場合、五百万円×3人=千五百万円までの生命保険金であれば全額が非課税になります。

【死亡退職金の非課税枠を利用する】


死亡に伴い勤めていた会社から死亡退職金や弔慰金を取得する場合も相続財産とみなさます。死亡退職金については生命保険金同様に、五百万円×法定相続人の人数で計算した金額が非課税枠として受け取る死亡退職金から控除できます。また、弔慰金については役員報酬月額の3年分または6ヶ月分までが非課税枠となります。同族会社の役員であれば、この非課税枠を有効に利用して相続税を節税することができます。

【養子縁組をして相続人を増やす】


法定相続人が多ければ多いほど、相続税の節税が図ることができます。法定相続人を増やす方法としては養子縁組による方法があります。ただし安直な養子縁組はトラブルの要因になりかねませんので、家族で十分に話し合い理解を得ることが必要です。また相続間際の養子縁組など租税回避が明らかとされた場合には認められない場合がありますので、健在な間に進めることが必要です。

【相続財産を基礎控除額以下にする】


基礎控除額とは相続財産の合計額から控除される金額で「三千万円+六百万円×法定相続人の数」で算出されます。例えば亡くなった人に配偶者と子供2人がいる場合、三千万円+六百万円×3人=四千八百万円が基礎控除額となり、相続財産が四千八百万円以下であれば相続税はかかりません。生前に財産を配偶者や子に売却あるいは贈与を行っておいて、相続時には相続財産を基礎控除額以下にすれば相続税の節税対策は完璧です。

【配偶者の税額控除枠を利用する】


配偶者は、配偶者が取得した相続財産が法定相続分以下であれば、その金額が相続税額から控除され、配偶者の相続税額はゼロになります。なお、配偶者の取得財産が一億六千万円以下である場合には、法定相続分を超えていても相続税額はゼロになります。
従って、もし相続財産の総額が一億六千万円以下であれば、その全額を配偶者の取得分とすれば、相続税額はゼロになります。

【相続の放棄は慎重にする】


相続人は相続するか放棄するかを自由に選択できます。債務超過などでない場合に相続を放棄するときは注意が必要です。生前贈与などで相続の必要が無いという場合でも、相続放棄をすると、その分の生命保険金及び死亡退職金の非課税枠が無くなるなどデメリットが生じます。この場合は、相続放棄ではなく「何も相続しない」ということで対処するのが節税につながります。

【相続時精算課税制度を利用する】


生前に贈与された財産は贈与され年に贈与税を納めることになりまが、相続時精算課税制度は、生前までに贈与された財産の合計が二千五百万円でについては贈与税がかからず、相時にその贈与分を精算して相続税を計算します。この制度は贈与財産が二千五百万円にするまでは何年も使うことができ、二千五百万円を超えた場合には税率を一律二十%として納付することになります。言わば税金の後払いですが、この制度を利用すれば贈与時の価格で相続税を計算することとなりますので、確実に値上がる財産などに利用するの有利です。また、この制度は、父母の両方の用を受けることができますので、この場合は非課税枠が2人分の五千万円なります。また、二十歳以上の孫が祖父母から財産を贈与を受けた場合にも適用できます。ただし、一度この方法を行うこと決めた場合取り消すことができませので注意しましょう。

【贈与の非課税制度を利用する】


住宅取得資金、配偶者への居住用住宅の贈与、教育資金について非課税で贈与できる制度があります。これらを利用して、財産を移転しておくことができます。

【孫に財産を贈与する】


相続人への相続開始前三年以内の贈与については、その贈与財産は相続財産に含められます。従って、この場合の贈与による節税策は無意味になります。
ただし、相続権のない孫に対する贈与は相続財産に含められません。孫に対する贈与は、世代の飛び越しですので、相続税の2回の課税を1回で済ませる効果があり、贈与税を支払う方が節税になります。

【貸家にして不動産の評価額を下げる】


何も使用していない土地あるいは建物がある土地については、事前に処置をし、その土地の課税価格を下げましょう。空き地であれば、そこに建物を建て貸家とした場合には、その土地の評価額は借家人の権利分が減額され、一般的に2割程度減少します。併せて貸付用に使用しているとして小規模宅地の特例が適用され二百㎡までは五十%が減額されます。その土地に建物がある場合には、貸家にすると同様の減額ができ、その建物土地ともに評価額を減少できます。

 

【経営者保険を活用する】


同族会社を経営している人は、経営者保険に加入することで会社の節税をしながら、相続税の納税資金の準備ができます。保険の積立部分は経営者が亡くなったとき、会社が受取り、会社が死亡退職金を支給するという仕組みで、退職金の非課税枠が利用できます。また、支払った退職金や積立分以外の保険料は法人の損金に計上できます。

【入院・葬式費用の領収書をそろえておく】


相続財産は借金などの負債が控除できます。負債と同様に葬儀に要した費用、及び入院費用も控除できます。これらの費用については領収書の収集を忘れがちですので、確認して揃えるようにしましょう。また僧侶へのお布施など領収書が受け取れない場合には、支払額を必ずメモしておきましょう。

【相続争いは絶対に避ける】


遺産の分割に際して、相続争いは節税に全くつながらないばかりか、むしろ逆になります。特定居住用宅地の八十%減額や配偶者の税額軽減も相続の分割が確定して、相続税の申告をすることで適用されますので、申告期限の時に未分割であれば適用されません。

【二次相続を考えて遺産分割をする】


配偶者が財産をどれだけ取得するかで相続税額が大きく変わります。ただし、二次相続を考えて遺産分割することが、トータルとしての相続税の節税になることも考慮しましょう。将来において評価額が上昇する可能性のある土地などは、子供との共有にするとか、将来的に減少していく預貯金などは配偶者が主に相続するなどの分割の財産検討が必要です。

【売却する予定の不動産を共有する】


相続後の節税を考える場合、相続した財産を譲渡した場合の譲渡所得を低くするための検討が必要です。居住用財産を譲渡した場合、譲渡益から三千万円を控除することができますが、もし、居住用財産を共有にしていた場合、共有者ごとにそれぞれ三千万円の控除を受けることができます。所得税の譲渡の控除は個々で受けれますので、有効に利用するには、財産を共有で相続するのが良いでしょう。


【バランス良く組み合わせる】


相続税の節税を効果が大きそうな対策一つだけで済まそうとして、逆に借入金の返済に困るなどの笑えない話があります。一つ一つの効果が小さくても、バランス良くリスクの低いものを組み合わせることにより、大きな効果を生むことができます。対策は積極的に、でも無理なく進めていきましょう。

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税理士 藁信博(代表者プロフィール
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令和5年審査請求の概要の公表 | 税務・会計の専門家 藁総合会計事務所

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審査請求は、納税者が税務署長や国税局長の処分に不服がある場合に、国税不服審判所に取消しや変更を求める制度です。
処分をした税務署長や国税局長ではなく、国税不服審判所が公正な第三者の立場で、納税者の正当な権利利益の救済を図ることを目的となっています。
令和5年度には3,917件の審査請求がありました。
理岩5年の審査請求の処理件数は2,873件で、認容割合は9.7%で、納税者にとっては厳しい判断をくだされています。
 

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令和6年の路線価の公表 | 税務・会計の専門家 藁総合会計事務所

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2024年7月1日、国税庁は令和6年度の路線価を公表しました。全国平均では前年より上昇しており、特に東京都中央区銀座や大阪市北区などの主要商業地での上昇が顕著です。横浜市や名古屋市などでも同様の傾向が見られます。これにより、相続税や贈与税の評価額が変動するため、相続税の申告に影響を与えることが予想されます。

路線価とは

路線価は、国税庁が毎年公表する土地の評価額を示す指標で、道路に面する土地の1平方メートルあたりの価格を指します。相続税や贈与税の算定基準として利用され、公示地価の約80%程度で設定されます。
 

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令和6年能登半島地震に係る国税の申告・納付等の期限延長措置の一部地域における終了について

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日税連を通じて国税庁から、石川県及び富山県を対象に国税に関する法律に基づく申告、納付等の期限の延長措置について、指定地域の内一部を除き、令和6年1月1日から同年7月30日までの間に当初の期限が到来する国税の申告、納付等の期限を令和6年7月31日とする旨周知依頼がありました。

詳しくは、次のURLをご参照ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/saigai/r6/noto/index.htm

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戸籍広域交付制度(令和6年3月1日から) | 税務・会計の専門家 藁総合会計事務所

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戸籍広域交付とは
本籍地でのみ交付していた戸籍証明書等が最寄りの区市町村窓口で取得できます。
例えば、品川区在住・在勤で本籍地が目黒区にある人も、品川区の区役所・支所で請求ができます。

広域交付の対象にならない証明書
以下の証明書は、戸籍のある市区町村(本籍地)にご請求ください。

  • 戸籍一部事項証明書、戸籍個人事項証明書
  • 除籍一部事項証明書、除籍個人事項証明書
  • 除籍抄本
  • 再製原戸籍
  • 改製不適合戸籍
  • 告知書

 

広域交付で証明書を請求できる

  • 本人
  • 配偶者
  • 父母、祖父母等(直系尊属)
  • 子、孫等(直系卑属)
    ※兄弟・姉妹、法定代理人、委任状による代理人請求は不可

交付を受けるために必要なもの
窓口に来た方の本人確認書類1点(顔写真付きのもの)

広域交付制度のパンフレット

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2024年から変わる新NISA | 税務・会計の専門家 藁総合会計事務所

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■はじめに
NISAが変わりますと見聞きしたことがある人も多いと思いますが、そもそも、NISAとはなんでしょうか。通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して利益がでたり、配当を受け取った場合には、利益や、配当に対して約20%の税金がかかります。NISAは、「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり税金がかからなくなる制度です。イギリスのISA(Individual Savings Acount=個人貯蓄口座)をモデルとした日本版ISAとして、NISA(Nippon Individual Savings Account)という愛称がついています。2023年までのNISAは、成人が利用できる一般NISA、つみたてNISA、未成年が利用できるジュニアNISAの3種類があります。一般NISAは、株式、投資信託等を年間120万円まで購入でき、最大5年間非課税で保有できます。つみたてNISAは、一定の投資信託を年間40万円まで購入でき、最大20年間非課税で保有できます。ジュニアNISAは、株式、投資信託等を年間80万円まで購入でき、最大5年間非課税で保有できます。なお、2020年度制度改正において、ジュニアNISAについては、新規の口座開設が2023年までとされ、2024年以降は新規購入ができないこととされました。また、令和5年度制度改正の大綱等において、2024年以降のNISA制度の抜本的拡充・恒久化の方針が示されました。
 

■新NISAで変わること
1.つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能に
2023年までのNISA制度は、「つみたてNISA」と「一般NISA」があり、どちらかを選択する方式ですが、新NISA制度では、これが一体化されます。つみたてNISAは「つみたて投資枠」、一般NISAは「成長投資枠」とそれぞれ名称が変わり、併用が可能になります。
2.年間投資枠が最大360万円に拡大
2023年までのNISA制度での年間投資枠は、つみたてNISAを選んだ場合は40万円、一般NISAを選んだ場合は120万円ですが、新NISA制度では、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円、併せて年間360万円と大幅に拡大します。
3.非課税保有限度額が最大1800万円に
新NISA制度では「非課税保有限度額」が新設され、買付金額ベースで一人あたり合計1800万円(成長投資枠は1200万円)に設定されました。さらに、2023年までのNISA制度では商品を売却しても非課税枠は復活しませんが、新NISA制度では売却した場合、その非課税保有限度額が翌年以降に復活して再利用が可能となります。
4.非課税保有期間の無期限化
2023年までのNISA制度では、一般NISAで5年間、つみたてNISAで20年間と、非課税保有期間が限られており、一般NISAでは非課税保有期間を延長する場合には移管手続きが必要でした。しかし、新NISA制度では、非課税保有期間がつみたて投資枠、成長投資枠ともに無期限となるため、移管の手続きは不要となりました。
5.新NISAと2023年までのNISAの口座は別枠
新NISA制度の非課税保有限度額は、2023年までのNISA制度とは別枠とみなされます。つまり、つみたてNISAまたは一般NISAで保有している資産は、2024年以降、新NISAの非課税保有限度額とは別に保有することが可能です。ただし、2023年までのNISA制度での新規買い付けが可能なのは2023年中となりますので、ご注意ください。
 

■「つみたて投資枠」「成長投資枠」とは?
「つみたて投資枠」は、長期の積立、分散投資に適した一定の投資信託(金融庁の基準を満たした投資信託に限定)。「成長投資枠」は、上場株式、投資信託等で、整理、監理銘柄、信託期間20年未満、毎月分配型の投資信託及びデリバティブ取引を用いた一定の投資信託等を除外しています。なお、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を別々の金融機関で利用することはできません。

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特定資産の買換の特例の適用には、事前届出が必要になりました!

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改正の内容をご説明する前に、用語の意義と買換えのパターンを理解しておきましょう。

「買換えの特例」とは、自己が所有している譲渡資産を譲渡し、かつ買換資産を取得し、一定の期間内に事業の用に供した場合において、その譲渡時に生じた利益を一定の方法により翌事業年度以降に繰り延べ、法人税を分割して納付できる制度です。
次に「買換えの特例」の適用を受けることができる買換えのパターンについてですが、買換えのパターンは次の5つで、次の通り改正されました。
①既成市街地等内から外への買換え
→ 改正により除外されました。
②航空機騒音障害区域内から外への買換え
→ 改正により、譲渡資産のうち一定の区域にある資産が除外されました。
③既成市街地等及びこれに類する一定の区域(人口集中地区)内における土地の計画的かつ効率的な利用に資する施策に実施に伴う土地等の買換え
→ 改正はありませんでした。
④長期所有資産の買換え(所有期間が10年を超える国内における土地等、建物又は構築物から国内にある一定の土地等、建物又は構築物への買換え)
なお、買換え可能な土地等は、事務所等の特定施設の敷地の用に供されるもの等で、その面積が300㎡以上のものに限られます。
→ 改正により、次の通り繰り延べ割合が変更となりました。
a東京都の特別区の区域から地域再生法の集中地域以外の地域への本店又は主たる事務所の所在地の移転を伴う買換えの課税の繰り延べ割合が現行の80%から90%に引き上げられました。
b同法の集中地域以外の地域から東京都の特別区の区域への本店又は主たる事務所の所在地の移転を伴う買換えの課税の繰り延べ割合が現行の70%から60%に引き下げられました。
⑤日本船舶の買換え
→ 改正がありましたが、船舶についての特例であり、重要性が乏しいと思いますので、今回は割愛します。

事前届出が必要
買換え特例の適用要件に、納税地の所轄税務署長に本制度の適用を受ける旨の届出をすることが追加されました。
aこの届出は、譲渡資産の譲渡の日を含む3月期間の末日の翌日から2月以内に行われなければならないこととされています。
3月期間とは、事業年度をその開始の日以後3月ごとに区分した各期間をいい、最後に3月未満の期間を生じたときは、その3月未満の期間とされています。
bこの届出は、上記aの届出期間内に本制度の適用を受ける旨及び届出者の名称、納税地及び法人番号並びに譲渡資産・買換資産に関する一定の事項を記載した届出書により行わなければならないこととされています。
なお、この要件は、一の事業年度の期間内に譲渡資産の譲渡と買換資産の譲渡をした場合の適用要件とされており、譲渡資産の譲渡をした日を含む事業年度開始の日前に買換資産を取得した場合、譲渡資産の譲渡をした日を含む事業年度終了の日の翌日から一定期間内に買換資産の取得をする見込みである場合及び交換譲渡資産と交換取得資産との交換の場合には、この届出は不要とされています。

最後に、この制度の適用関係を見ておきましょう。
この改正は、令和5年4月1日以後の土地、建物等の譲渡資産の譲渡をした場合に適用になります。
ただし、上記⑤の改正は、令和6年4月1日以後に譲渡資産の譲渡をして、同日以後に買換資産の取得をする場合の届出について適用されます。
買換えの特例には、譲渡資産の譲渡前に買換え資産の取得を行う「先行取得」などについても改正されていますが、今回は割愛します

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「つみたてNISA」と「iDeCo」を活用 | 税務・会計の専門家 藁総合会計事務所

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■はじめに
皆さんは、財産をどのくらいお持ちでしょうか。「十分に持っている。」という方もいれば、一方で、「マイホームや、車など特に大きな買い物をしていないのに、なぜかお金が貯まらない。」あるいは、「人生100年時代と言われる中、六五歳で定年退職し、残りの人生を退職金と年金だけで生活できるのか心配だ。」という方もいるでしょう。
財産に余裕がある方はもちろん、老後のお金や将来の支出に不安がある方々に、今後の家計の一助となる方法をご紹介します。

■お金を貯めるには
まず、なぜお金を貯めないといけないのでしょうか。当然、生きていくためには、食べていかなければいけません。また、住むところが必要です。これらの生活費を賄うためにはお金が必要であり、お金を稼ぐには働かなくてはなりません。しかしながら、私たちは死ぬまで二十歳の若者のように元気に働くことはできません。いつかは働けなくなります。その時のためにお金を貯めておく必要があるのです。では、お金を貯めるにはどうすればよいのでしょうか。様々な方法があるのでいくつか列挙してみましょう。
⑴預貯金をする。⑵定期預金をする。⑶生命保険に入る。⑷株式・不動産投資を始める。などがあります。
⑴・⑵は、リスクはほとんどなく確実に貯められますが、超低金利の今の日本ではお金を増やすことが難しいです。
⑶のうち、いわゆる養老保険などは、リスクも少なく、老後の生活資金対策として有効な手段であると思います。
⑷はご存じの通り素人が行うにはリスクが高く、十分な知識のない方にはお勧めできません。
そこで今回は、リスクが比較的少なく、リターンも望める投資信託を取り上げます。
なぜ⑷ではなく、投資信託かというと、まず投資で、できる限りリスクを下げ、より多くのリターンを得るためには、投資期間をなるべく長く、国債などの安全資産と株式などのリスクのある資産を分散し、少しずつ投資する、いわゆる長期分散投資が有効と考えられており、その分散投資は信託会社などが、私たちの代わりに行ってくれるからです。
そこで今回は、投資信託で、初心者でも専門的な知識のいらない「つみたてNISA」と「iDeCo」をご紹介します。

■「つみたてNISA」・「iDeCo」
「つみたてNISA」と「iDeCo」は、ともに積み立て型で、税制優遇制度が使える投資信託です。
(運用期間について)
いずれも二十歳以上で加入でき、期間は「つみたてNISA」が最長二十年で、「iDeCo」が加入から六十五歳までとなります。
(年間投資上限額について)
「つみたてNISA」は、年間40万円であるのに対し、「iDeCo」は働き方により異なりますが、年間14万4千円(公務員)~81万6千円(自営業)となります。
(税制優遇制度について)
「つみたてNISA」は保有期間中の配当金や売却益が非課税となります。
「iDeCo」も保有期間中の配当金や売却益が非課税となります。
また、掛金が全額所得控除され所得税及び住民税が軽減します。
さらに、給付金を受取時に一時金(退職所得)で受取る場合には退職所得控除の適用があり分割(年金)で受取る場合には公的年金等控除の適用が受けられます。
(出金について)
税制優遇制度だけ見ると「iDeCo」が有利ですが、「iDeCo」は原則60歳まで出金ができないのに対し、「つみたてNISA」はいつでも出金可能なので、例えば子供の学費に充てたり、住宅の購入資金に充てたりすることが可能となります。

■最後に
「つみたてNISA」と「iDeCo」は上手に活用することにより、将来安心して生活するために必要な資金繰りに役立ってくれると思います。今のうちから準備をしておきましょう。

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試験研究費の税額控除制度はどんな試験研究をすれば使える?

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試験研究費の税額控除制度というものがあります。試験研究費の額に応じて、一定の割合で計算した金額を法人税額から控除することができる制度です。法人税の節税でよく出てくる減価償却費の特別償却などの制度は毎年計上する経費を前倒しで計上し、前倒しで計上した年度の法人税額を減らすことになりますが、償却額は全体では増える訳ではないので、前倒しで計上した翌年度からは計上額が増えてしまいます。一方でこの試験研究費の税額控除制度は、法人税額から特別に税額を控除するので、この制度を適用しても翌年からの税額が影響するわけでもありませんし、適用できるのであれば絶対に適用したい制度です。試験研究費の額の十二%を法人税額から控除できます。(上限の規定はあり。)しかし、試験研究というと、大企業で、研究所があって、新たな技術を研究して、発明する・・・というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。そのため、自分の会社には関係無いなと思っているかもしれません。では、実際にはどのようなものが「試験研究費」としてこの制度の対象となるのでしょうか。


【試験研究費の額】
この制度の対象となる試験研究費の額は次の通りです。
1 製品の製造または技術の改良、考案もしくは発明に係る試験研究(新たな知見を得るためまたは利用可能な知見の新たな応用を考案するために行うものに限ります。)のために要する費用。
2 新たな役務の開発に係る試験研究(新サービス研究)として①大量の情報を収集する機能を有し、その機能の全部、主要な部分が自動化されている機器または技術を用いて行われる情報の収集。②その収集により蓄積された情報について、一定の法則を発見するために、情報解析専門家により専ら情報の解析を行う機能を有するソフトウエアを用いて行われる分析。③その分析により発見された法則を利用した新サービスの設計④その発見された法則が予測と結果の一致度が高い等妥当であると認められるものであることおよびその発見された法則を利用した新サービスがその目的に照らして適当であるとみとめられるものであることの確認。

どうでしょうか?自社で該当しそうなものはありましたでしょうか?ここで言う「新たな」とは、「今まで世の中になかった」という意味ではなく、「その企業にとっての新たなサービス」という意味です。また、以前から提供しているサービスに関連する試験研究であっても、新たな内容が付加される場合やサービスの提供方法が新しくなる場合などは「新たな」サービスに該当します。何か発明しないといけないと言うものではないのです。また、これらの試験研究は自社で行うのではなく、他者に委託して行ったものも対象です。

【経済産業省のQ&Aから】
Q 顧客のインターネットアクセスを自動で解析し、顧客に最適な商品提案を行うためのソフトウェアを開発していますが、税制の対象になりますか?
A 独自にアルゴリズムの開発を行い、これを特定のソフトウエアとして実装すれば製品の開発に係る試験研究となり得ます。また、同種のソフトウェアを開発し、自社内プロセスにおいて実装した場合は、技術の改良に係る試験研究となり得ます。
Q 情報の収集について、他者からデータを購⼊した場合には情報の収集になるのでしょうか?
A 当該データが、「⼤量の情報を収集する機能を有し、その全部⼜は主要な部分が⾃動化されている機器⼜は技術」によって収集されたものであれば、情報の収集に該当します。
Q 情報の収集や分析のプロセスについては、⾃社内で⾏うのではなく、外部に委託しようと考えていますが、その場合も対象になるのでしょうか?
A サービス設計⼯程の全てを実⾏することの判定については、法⼈がその全部⼜は⼀部を委託により⾏うかどうかは問わないこととなりますので、外部に委託した部分があった場合も対象になります。

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