定款作成支援ツール」の改善及び電子定款の認証手続におけるウェブ会議の利用促進について
株式会社の設立に必要な定款認証については、法務省が策定した「定款作成支援ツール」用いて、東京都内の公証役場において定款認証を受けようとする場合に、原則として48時間以内に定款認証手続きを完了させる試行運用を開始している。
また、電子定款の認証手続きにおける公証人の面前審査については、平成31年からウェブ会議により実施することが可能となっていますが、スタートアップ支援及び操業環境の整備を図るため、本年3月より、全国の公証役場を対象に来所希望がない場合ウェブ会議の利用を原則とする運用を開始することとなりました。
希望の場合は公証役場へ来訪して対面での面前審査を受けることも可能ですが、公証人が合理的な理由なくウェブ会議の利用を拒否するなど不適切な取り扱いがされることを防止し、適切な事務の遂行を徹底するため対面での面前審査を希望する場合に申告書の提出を求める運用を併せて実施いたします。
これらの取組について利用者等のからの意見・要望を踏まえ、改善を図る旨の周知依頼がありました。
詳細は、下記URLをご確認ください。 https://www.tokyozeirishikai.or.jp/news/tax_accountant/detail/2441.html
令和6年能登半島地震による災害等を踏まえた資金繰り支援
「被災者の生活と生業支援のためのパッケージ」(令和6年1月25日)を受け、財務省が日本政策金融公庫に対し、次の事項を要請しました。
内容は、コロナ資本性劣後ローンを弾力的・柔軟に活用した被災事業者支援を実施することです。
- 提出書類についても、必須のものを除き、事後的な提出を可能とすること。
- コロナ特別貸付など既往債務のコロナ資本性劣後ローンへの借換に積極的に応じることなど。
生前贈与が変わります (令和6年1月1日から変わります!)
■はじめに
令和六年一月一日から贈与税が変わります。どう変わるかの前に、贈与税について、確認しておきましょう。現在贈与には、「暦年贈与」と「相続時精算課税」の二種類が有ります。「暦年贈与」は、一年間に贈与により取得した財産の合計額から基礎控除百十万円を控除した残額に税率を適用して贈与税額が決まります。税率は贈与する人や贈与財産の価額により変動します。相続時には、その相続の被相続人から、3年以内にうけた贈与財産は、相続財産に加算されます。「相続時精算課税」は贈与者ごとに一年間に贈与により取得した財産の合計額から二千五百万円を控除した残額に二〇%の贈与税が課税されます。二千五百万円は贈与者一人につき、二千五百万円ですので、一年目で使い切ると、翌年以降は控除出来ません。相続時には、全額相続財産に加算されます。「相続時精算課税」を選択する場合は、贈与税の申告書の提出期間内に「相続時精算課税選択届出書」を提出する必要が有ります。そして、一度選択すると、同じ贈与者からの贈与について「暦年贈与」には戻ることが出来ません。
■「暦年贈与」の加算対象期間三年から七年に
それでは、改正についてです。まずは、「暦年贈与」の変更点です。相続で財産を取得した人が、その相続開始前七年以内に、その相続に係る被相続人から暦年課税による贈与により財産を取得したことがある場合には、その贈与により取得した財産の価額が相続税の課税価格に加算されます。なお、その財産のうち、相続開始前四年より前に贈与により取得した財産については、その財産の価額の合計額から百万円を控除した残額を加算します。
また、贈与時期が令和五年一二月三一日までの加算対象期間は、相続開始前三年間となり、贈与者の相続開始日により、次の通り加算対象期間が変わって行きます。贈与者の相続開始日が令和六年一月一日~令和八年一二月三一の場合は、相続開始前三年間、贈与者の相続開始日が令和九年一月一日~令和一二年一二月三一日の場合は、令和六年一月一日~相続開始日、贈与者の相続開始日が令和一三年一月一日以降は、相続開始前七年間。二〇三一年一月一日以降の相続から完全に七年間加算されるようになります。
■どのくらい税額が変わるか
この改正でどのくらい税額が変わってくるのでしょうか。比較してみましょう。
●前提
親から子への贈与毎年百十万円
相続発生時の財産一億円
相続人一人 相続税の基礎控除三千六百万円
●三年加算の場合
遺産総額一億円+三三〇万円=一億三三〇万円
相続税(一億三三〇万円ー三千六百万円)×税率三〇%ー控除額七百万円=一千三百十九万円
●七年加算の場合
遺産総額一億円+一億七七〇万円
相続税(一億七七〇万円ー三千六百万円ー四年分控除百万円)×税率三〇%一七〇〇万円=一四二一万円
このように、毎年百十万円贈与していた場合、七年加算が適用されると百二万円の相続税が増えます。
■「相続時精算課税」の見直し
次は、「相続時精算課税」の変更点です。今回の改正では、「相続時精算課税」にも、基礎控除額(百十万円)が創設されました。相続時精算課税を選択した受贈者が、贈与者から令和六年一月一日以後に贈与により財産を取得した場合には、贈与税の課税価格から基礎控除額百十万円が控除されます。そこから、相続時精算課税の特別控除二千五百万円を控除して、税率二〇%で贈与税が課税されます。そして、贈与者の相続時には、基礎控除百十万を控除した残額を相続財産に加算することになります。
■「相続時精算課税」の選択
「相続時精算課税」は、①贈与者が贈与の年の一月一日に六十歳以上であり、②受贈者がその日に十八歳以上、かつ、贈与時に贈与者の子または、孫である場合に選択することが出来ます。今回の制度改正後であっても、一度選択すると、同じ贈与者からの贈与を「暦年贈与」に戻すことは出来ませんので、選択は、慎重に検討しましょう。
106万円の壁、130万円の壁
厚生労働省において、以下の施策がスタートしています。
中小企業(正確には小規模事業所)のパートアルバイトが一時的に年間130万円を超えたとしても、引き続き配偶者の社会保険の被保険者として維持が可能となる。
この制度を利用するには、雇用者の証明が必要となります。また、健康保険組合などに事前に確認することが余計なトラブルを避けるために必要です。
大企業中堅企業(大規模事業所)のパートアルバイトが106万円を超えることで、社会保険に加入する必要が生じたときに、企業側が手取りを減らさない施策を実施していれば、企業に対して補助金が支給される制度です。
古い大企業の「配偶者手当」については、企業側の対応が求められており、お勤めしている会社に確認する必要があります。
給与所得の源泉徴収票情報のマイナポータル連携
源泉徴収票情報のマイナポータル連携とは、令和5年分以降の所得税の確定申告において、国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」からマイナンバーカードを利用して e-Tax で申告する際、お勤め先(給与等の支払者)から税務署に提出された「給与所得の源泉徴収票」の情報を、マイナポータル経由で取得し、確定申告書の該当項目に自動で入力するものです。
この制度を利用するためには、給与所得の源泉徴収票情報の取得に当たっては、申告される方が、あらかじめ e-Tax のマイページにおいて、情報の取得を希望する旨の登録を行うとともに、マイナンバー等の提供を行っていただくことが必要となります(令和6年1月から登録・提供が可能となる予定です。)。
なお、令和9年2月から市区町村へ提出された給与支払報告書がマイナポータルに連携されることが予定されています。
民泊(民泊による所得の課税関係について確認しよう)
■はじめに
ここ数年、空き部屋や駐車スペースのシェア、家事や育児代行等をはじめ、多様な分野で新たなシェアリングエコノミーサービスが登場しています。そのうちの一つとして、「民泊」があります。「民泊」とは、住宅の全部又は一部を活用して、旅行者等に宿泊サービスを提供することを指して、「民泊」ということが一般的です。インターネットを通じて空き室を短期で貸したい人と宿泊を希望する旅行者とをマッチングするビジネスが世界各国で展開されており、急速に増加しています。この民泊については、感染症まん延防止等の公衆衛生の確保や、地域住民等とのトラブル防止に留意したルールづくりはもとより、旅館業法の許可が必要な旅館業に該当するため、一定のルールの下、健全な民泊サービスの普及を図るため、制度も整備されてきました。そして、民泊を営むことで生じる所得は、所得税の課税対象となります。そこで、今回は、この民泊による所得の課税関係について確認してみたいと思います。
■所得区分
「民泊」をしたことで得た所得は、原則として雑所得に区分されます。所得税は、所得区分によって、税金の計算方法が異なるため、どの所得区分になるのかは重要なのです。雑所得になる場合は、収入から必要経費を差し引くことが出来ます。
■必要経費の具体例
では、どのようなものが必要経費にできるのでしょうか。必要経費に出来る費用は、①その収入金額を得るため直接に要した費用②その年の販売費、一般管理費その他民泊で収入を得るために生じた費用です。具体的には、民泊仲介業者に支払う仲介手数料、民泊管理業者等に支払う管理費用や広告宣伝費、水道光熱費、通信費、非常用照明器具の購入費、民泊に利用している家屋の減価償却費、固定資産税などです。これらの費用のうち、民泊仲介業者に支払う仲介手数料や民泊管理業者に支払う管理費用など、民泊を行うためにのみ支払うものについては、それぞれその金額を必要経費にできます。他方、水道光熱費や固定資産税など、業務用部分と生活用部分の費用の両方が含まれているものについては、民泊用の金額のみ必要経費にすることができます。民泊用の金額は、合理的な方法により区分して計算することになります。例えば、民泊に利用している部分の床面積の総床面積に占める割合を基にするなどして計算します。
■その他のシェアリングエコノミー
その他シェアリングエコノミーにはどのようなモノがあるでしょうか。一般社団法人シェアリングエコノミー協会によると、シェアリングエコノミーは取り扱う資産によりスキル・空間・モノ・移動・お金の五つのタイプがあります。それぞれのタイプでは、次のような資産をシェアしています。
①スキルのシェア:介護や育児、知識や技術など
②空間のシェア:駐車場や民泊、スペースや会議室など
③モノのシェア:フリマやオークションでの物品の販売など
④移動のシェア:車やバイク、サイクルなど
⑤お金のシェア:クラウドファンディングや仮想通貨など
原則シェアリングエコノミーで得た収入は所得税の対象となり、原則確定申告が必要です。ただし、会社員で給与所得、退職所得を除いた所得が20万円以下の場合、納める所得税の金額がない場合は確定申告は不要です。また、「③モノのシェア:フリマやオークションでの物品の販売など」は所得税は非課税になることが多いと考えられます。個人が生活で使用していた家具や衣服の売却については、所得税は非課税と規定されているからです。もちろん、販売目的で仕入れて、販売した場合は所得税が課税されます。
遺言書を準備しましょう | 税務・会計の専門家 藁総合会計事務所
■はじめに
日本は、ロシア・中国といった世界で一、二を争う軍事国家に南北を挟まれており、ひとたび戦争が起これば日本は大きな被害を受けることになります。その他にも、大地震や豪雨による水害などの天災で命を落とすこともあるかもしれません。
せっかく築いた自身の財産を家族や家族以外の第三者に残したい。もしくは、慈善団体への寄付などをしたいと思っても、何の準備もしていなければその思いは届きません。
しかし、遺言書さえ残しておけば、死後もその思いは大切な人に届くのです。
■遺言書について
遺言書は、十五歳以上なら親の許可なしで作ることができます。
また、遺言者は、その財産の全部又は一部を処分することができる(民法964)とされており、遺留分(兄弟姉妹以外の法定相続人が有する最低限度の財産を受ける権利をいう)さえ侵害しなければ、遺言は財産承継において強力な手段となります。
■遺言書を作ってみましょう
①自分の財産を書き出してみましょう。
代表的な財産として預貯金、生命保険金、不動産、家財道具、有価証券や金などがあります。一見無価値そうなものも書いてみましょう。例えば、全巻揃えた小説とか、大好きなペットなど、渡したいと思う人を思い浮かべながら書いてみましょう。
できれば、その気持ちも一緒に書いておきましょう。これを「付言事項」といいます。
もちろん付言事項は、書かなくても問題ありませんが自分からの最後の手紙だと思って書いておくと、遺族に自分の思いを知ってもらえることができますし、財産分割の内容を納得してもらうことができます。
②自分がなくなった後に行ってほしいことを書いておきましょう。
家賃や公共料金、その他自動引き落としされているサービスなどは、自分がなくなった後も支払い続ける事態になりかねません。この様なときは、自分がどんなサービスを使っていたか、IDやパスワードなどの個人情報などをどこかに保存して、その場所やそれらをどうして欲しいのかを遺言書に書いておきましょう。
③このままでは、遺言書としての効力がなく、ただの連絡事項となってしまいます。
そうならない為に、法的効力のある遺言書として、民法では、自筆証書、公正証書、秘密証書の3つの方法を定めています。
■法的効力のある遺言書とは
①自筆証書遺言
遺言者が、遺言の全文、日付、氏名を自筆し、捺印した遺言を言います。なお、自筆証書遺言には検認といって家庭裁判所の確認が必要です。遺言書を見つけたら開封せずに家庭裁判所へ持っていき検認してもらいましょう。
②公正証書遺言
公証人が筆記した遺言書に、遺言者、公証人及び2人以上の証人が内容を承認の上、署名・捺印した遺言を言います。なお、証人は行政書士などの専門家にお願いするか、公証役場で有償の証人を手配できます。
③秘密証書遺言
遺言者が遺言書に署名・捺印のうえ封印し、封紙に公証人及び2人以上の証人が署名・捺印等をした遺言を言います。現在では、あまり利用される方は少ないようです。
④メリット・デメリット
費用も掛からないのに法的効力がある自筆証書遺言ですが、書類に不備があれば無効になってしまいます。さらに紛失、第三者による改ざん・隠匿、あるいは遺言書の不発見などの可能性があります。その点、公正証書遺言は、このような心配はありませんし、家庭裁判所の検認も不要です。何より、専門家が遺言者の希望に添った文章を作ってくれますので、文章を考えなくてよいのは安心です。
■最後に
相続を争続にしないためにも、遺言書は非常に有用です。「縁起でもない」と思わずに、早めの準備をお勧めします
家族信託とは?-認知症等になり判断能力を失う前に備える_
■はじめに
「家族信託」について聞いたことはありますか?超高齢社会の日本において、誰もが認知症になり、判断能力を失う可能性が有ります。自分は大丈夫、自分の親は大丈夫。そんなことはありません。認知症になって判断能力を失った場合、法律行為ができなくなります。例えば、親が認知症になって判断能力を失った場合、子が、親の自宅を売却して、そのお金で施設にいれようとしても子が親所有の不動産を売却することはできません。親の預金口座にたくさんお金が入っていたとしても、その口座を引き落とし口座にするような契約をすることもできません。元気なうちに、今後のことを考えて、自分の財産の管理を信頼できる家族や友人などに託すことができるのが「家族信託」です。
■家族信託
認知症等により判断能力を失ってしまった場合、今までは「成年後見制度」を利用し、財産管理や財産処分をするというのが選択肢の中心でした。しかし、いわゆる法定後見制度を利用できるのは、自身の判断能力等が減退してからであって、元気なうちから利用することができません。「家族信託」は財産を有する者が判断能力が有るうちに、その全部または一部を信頼できる相手に対して、その管理を委ねる財産管理の仕組みです。「家族信託」は委託者が財産の管理を受託者に委ねる仕組みであるため、財産を託した人がその後に判断能力を喪失した場合であっても、その信託契約に基づいて受託者が有効な法律行為をすることができます。これが「家族信託」の重要なポイントです。例えば、実家に住んでいる高齢の親が「自分が元気なうちは自宅に住み続けたいが、将来、不自由が生じてきたら自宅を売却して施設に入りたい。」という希望を持っていた時、親が子に実家を信託して、その信託契約の中で実家の売却権限まで定めておけば、子どもは親が判断能力を失った後でも、「受託者」の立場で、自己の判断により、単独で不動産を売却することができます。信託しないで、親が判断能力を失った場合、法律行為ができませんので、自己の財産であっても自由に処分等をすることが難しくなります。「家族信託」は、このいわゆる「認知症等に伴う財産凍結リスク」に対して備えることができるのです。
■遺言との違い
例えば前述のケースで、親が元気なうちに、「全財産は○○に渡す」というような遺言を書いていたとしても、遺言の効力は相続時に発生するので、親が生存中はたとえ親が認知症で判断能力を失っていても、子は親の財産を勝手に処分することはできず、親の希望を叶えることはできません。このような場合は成年後見を利用することも想定されますが、成年後見は本人の財産を守るための仕組みであり、円滑な承継・管理のための仕組みではないため、目的を達成できない場合もあります。居住用不動産の処分については裁判所の許可が必要となる点も注意が必要です。
■不動産の共有相続の紛争予防に活用
共有不動産については、共同相続人全員が協力しないと処分できません。したがって複数の相続人が不動産を共同相続してしまうと、管理処分権の問題が生じる可能性があります。例えば、3人兄弟で親から相続した不動産をそれぞれ3分の1ずつの名義で共有していますが、3人とも高齢になっています。兄弟の誰かが認知症になって判断能力を失うと、成年後見人を選ばなければ不動産の活用ができなくなります。このような場合に、3人とも元気なうちに例えば、長男の子(甥)に自己の持分をそれぞれ信託することで管理を一本化し、他方その不動産から収益が生じたり、売却して利益が出たりしたときには3等分して渡すと言うようなことが可能となります。共有者としての権利や財産的価値は平等にしたまま、家族信託によって管理処分権限を信頼できる子(甥)にに集約しておくことで、いわゆる「不動産の塩漬け」を防止することができます。
■家族信託のデメリット
家族信託では、財産を適切に管理・処分できて、かつ信頼できる家族(親族)がいるかどうかが大きなポイントとなります。信頼されて任されたにもかかわらず、財産管理がずさんな場合には、相続人の中から不満の声が上がってトラブルになる可能性もあります。
税理士 藁信博(