【令和7年分】国税庁「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア」が公開されました
年末調整|令和7年分
年末調整をもっとスムーズに。国税庁の無償ソフトで控除申告書をかんたん作成。今年(令和7年)は基礎控除の引上げなど所得税の見直しがあり、提出書類や給与計算にも影響します。本記事ではソフトの使い方と改正点、実務の注意点をまとめました。
年末調整控除申告書作成用ソフトウェアとは
国税庁が提供する無料ツールで、パソコン・スマートフォンから「扶養控除・保険料控除・住宅ローン控除」などの申告書を対話形式で作成できます。入力内容は自動計算・自動チェックされ、PDF印刷やデータ提出(勤務先対応時)が可能です。
主な機能
- 質問に答えるだけで控除申告書を自動作成
- 生命保険等の控除証明書データ(XML)を取り込み
- マイナポータル連携で証明書データを一括取得
- PC/iOS/Androidに対応(最新版の動作環境をご確認ください)
こんな方におすすめ
- 書き間違い・転記ミスを減らしたい従業員
- 書類回収・差戻し対応を減らしたい人事・経理
- 電子データで保管・管理したい企業
※ 勤務先の受入可否(データ提出・PDF様式)は事前にご確認ください。
導入メリット
- 時短:入力案内+自動計算で作成時間を短縮
- 正確:記入漏れ・桁誤り・控除漏れを自動検出
- 効率:控除証明書データの取り込みで手入力を削減
- 柔軟:紙提出/データ提出の両方式に対応
令和7年の所得税改正:ここに注意
今年は所得控除の見直しが実施され、年末調整・給与計算に影響します。主なポイントを表にまとめました。
論点 | 改正の要旨 | 実務への影響 |
---|---|---|
基礎控除 | 控除額が48万円 → 58万円に引上げ | 全員に影響。年末調整の自動計算値が変わるため様式・システム更新を確認 |
給与所得控除 | 最低保障額が55万円 → 65万円に | 源泉徴収税額表が変更。12月支給分以降の税額計算に注意 |
扶養・配偶者控除の所得要件 | 合計所得金額要件が48万円以下 → 58万円以下に緩和 | 対象者が増える可能性。申告書の該当有無を再確認 |
特定親族特別控除(新設) | 19~22歳の学生等を対象に親が一定額を控除 | 該当者は新様式の申告書提出が必要。周知を |
適用タイミング | 原則、令和7年12月以降支払の給与から新制度適用 | 11月まで旧表、12月以降新表という二段階運用に留意 |
※ 詳細要件・経過措置は最新の法令・通達・国税庁情報で最終確認してください。
基本の進め方(ソフト活用フロー)
- ソフトを準備:国税庁の特設ページからPC版/アプリ版を入手
- 証明書を集める:生命保険・地震保険・住宅ローン等の控除証明書(できれば電子データ)
- 入力する:質問に沿って入力し、控除証明書データ(XML)を取り込み
- 申告書を出力:PDFに保存し、勤務先の指示に従って紙/データで提出
- 提出後の確認:差戻しや記載不備がないか、給与担当からの連絡をチェック
チェックリスト(企業・従業員)
企業・人事労務ご担当者
- 年末調整ソフトの受入方針(データ可否・PDF様式)を決定
- 給与計算システムの改正対応(基礎控除・給与所得控除・税額表)を確認
- 新設特定親族特別控除の周知と申告書回収体制を整備
従業員のみなさま
- 控除証明書は電子データでの取得を推奨(マイナポータル連携が便利)
- 家族の所得状況を確認し、扶養・配偶者控除の要件に該当するかチェック
- 19~22歳の子がいる場合、特定親族特別控除の対象可否を確認
- 早めに入力・提出し、差戻しを防止
参考リンク(公式)
- 国税庁|年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(年末調整特設ページ)
https://www.nta.go.jp/users/gensen/nenmatsu/nencho.htm - 財務省|令和7年度 税制改正(概要)
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2025/
※ 本記事は一般的な情報提供です。個別事情により取扱いが異なる場合があります。適用にあたっては税理士へご相談ください。