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顧客を信者にする!『2012年8月号Way To The Top』より

4ヶ月に1度、このページを埋めるために、毎回四苦八苦しています。連載しなければならないような内容はダメだし!なんてったって飽きるし、面白くもなさそうです。書く方は、楽だと思いますが・・・。

今回もあわてて、「発想する会社!-世界最高のデザインファームIDEOに学ぶイノベーションの技法」を材料にしようと読んだのですが、ちょっと違うという感じです。みなさんの共感を得られそうにありません。あきらめました。

今回の題材
表紙が日に焼けた本を発見しました。数年前に買って放置していた本です。「カルトになれ!~顧客を信者にする7つのルール~」マシュー・W・ラガスという人が書いた本です。2005年4月の本です。もう7年も前の本です。
内容的には「顧客のロイヤリティーを高めろ!」というものです。ロイヤリティーに関しては、この紙面で一度も書いたことがないので、今回はこれにします。

ハーレーダビッドソンのHOG
ハーレーダビッドソンというバイクのメーカーがあります。最近では東日本大震災によって漂流したコンテナがグアムに到着し、その中からバイクが発見され、ハーレーダビッドソンは無償で修理し、所有者に送ることを発表してニュースになりました。
日本でも良く見かけます。休みの日に高速や地方を走っていると、ハーレーの集団が数台から十数台でツーリングをしているのを皆さんも見かけますね。私もなにげにハーレーにはあこがれに近いものを感じてしまいます。こんなことは日本のバイクメーカーには感じないものです。何故、そんなことを感じてしまうのでしょうか、ただのノスタルジーなのでしょうか。
ハーレーダビッドソンという会社は1980年代に倒産の危機に見舞われていました。日本のメーカーに価格と品質で叩きのめされたのです。その時の経営者の判断は、市場シェアを回復するためにお客様の声を聞くことでした。倒産しそうな時に、いま直ぐに手にできる利益を求めるのではなく、長期的な利益を優先したのです。
そしてハーレー・オーナーズ・グループ(HOG)を設立し、その育成に尽力しました。HOGの運営により、各地域でのツーリング、ラリー、メンテナンスのセミナー、会報の発行などが活発に行われ、会員と販売店の間に良好な関係が生まれました。イベントでは新しいバイクの試乗会、ハーレーダビッドソンブランドのライダージャケットやジャンパー、Tシャツ、ブーツなどに触れることができるのです。そしてそこは単なる売場ではなく、仲間と意見交換ができる場所なのです。そこに集まってくる人はハーレーダビッドソンが大好きな人であり、その様な人達が大好きな物や人に囲まれて過ごす時間が生まれるのです。「ただ好きな人」が「信者」となるのも頷けます。こんな顧客がいれば売上が上がらないはずがありませんね。
勿論日本のメーカーに負けないように品質の改善をしたことはいうまでもありません。そしてフォーブス紙が同社を「2000年を代表する企業」に選ぶまでになったのです。

その他の事例としては、アップル(マッキントッシュの時代)、WWE(ワールド・レスリング・エンターティメント)、リナクス等が紹介されています。

観客を信者にする7つのルール
① 人は他人とは違っていたい!
② 「大胆さ」と「強い意志」を持て!
③ 「ライフスタイル」を売れ!
④ 「伝道師」を生み出せ!
⑤ クラブを生み出せ!
⑥ 顧客を選ぶな!
⑦ ノスタルジアを売れ!ライバルからパワーを引き出せ!

魅力的な商品が必要
ハーレーダビッドソンやアップルは、魅力的な商品があります。中小企業には魅力的な商品などありません。しかし、ワールド・レスリング・エンターティメントは基本は興行でありサービスです。ですから、この本のアイディアは「魅力的な商品や製品を持っていなくても良いのです。」ということは中小企業にも使えるアイディアだということです。ということは当事務所でも使えるアイディアであるといえます。重要なのは、「顧客」を「信者」にすることです。その為のサービスメニューを増やす必要があります。

置き去り
最近は、読者のことを置き去りにして、当事務所を題材に話を進めるのが流行ですので、いつものように踏襲してみたいと思います。

今手に入れられる利益ではない!
ハーレーダビッドソンには「HOG」があります。アップルには「ユーザーグループ」、「マックワールド・エキスポ」があります。ワールド・レスリング・エンターティメントにもファンクラーブがあり、「WWEファンアクセス」というイベントがあります。このイベントでは、ファンが実況アナウンサーの気分を味わったり、ボディスラムやパイルドライバーを練習ができるのです。
つまり、「すぐに得られる利益」ではないことをしなければならないということです。業績を上げるために、新規顧客を説得して歩くよりも、「顧客」を「信者」にし、「信者」を「伝道師」にすることで、必然的に業績が向上するということです。

藁総合会計事務所では何を?
では、藁総合会計事務所で何をすれば良いのでしょうか?
ファンクラブ?、イベント?・・・いったい何をすれば良いんだ?
税金のセミナー・・・ちょっと違う気がします。その上、楽しくない。
ゴルフコンペ・・・・楽しいが、毎月できないし、ゴルフをやらない人もいる。
社長会や異業種交流会みたいなことをやっている会計事務所がありますが、そんな堅苦しいことは当事務所には合っていない気がします。

じゃ、飲み会?参加自由の飲み会をやったとします。
社長が一人で来ても良いし、従業員を連れてきてもいい。何人か社長が集まれば、それなりに盛り上がると思います。

妄想
ちょっと、想像してみましょう。
今日は19:30から藁総合会計事務所の飲み会だ。一応「行く」とは言ったものの、打ち合わせが伸びて、到着するのは20:30分、「行くのがめんどくさいな!」と思いながら会場の飲み屋に到着。会計事務所の職員さんも含めて8人ほどいる。その中に前回、隣の席で一緒に盛り上がった高橋社長がいる。しかし、なぜか盛り上がっているはずの飲み会がお通夜状態。「いったい何があったんだ?」と聞いてみると、その高橋社長が仕事でトラブったとのことだ。他の社長も含めていろいろ善後策が話し合われていた。善く善く話を聞いてみると「そのお客さん、よく知っているよ!」と話がトントン拍子に進み、高橋社長に笑顔が戻るまでになり、その後いつもの飲み会となりました。あちらの席では田中社長が佐藤社長に今後の事業展開が話されています。隣の席では山中社長が、従業員の愚痴を話されています。「高橋社長のお話、これは聞き逃せませんよ!」(ちょっとアヴァンティ風で)。
想像はこの辺で止めておきます。

こんな雰囲気の飲み会であれば参加者もどんどん増えていきます。飲み会が発展して旅行とかバーベキューとかやっているかもしれませんね。とても楽しそうです。
果たして、そんな飲み会になるかということです。
オプションとしては、参加への動機付けをするためにも勉強会の形式を取った方が良いか。

とりあえず初める
余り考えすぎてもいけません。そして考えていても始まりませんから、とりあえず初めてみますか。
「日時は毎月第1火曜日19:00から」と思いましたが、最初から無理はいけません。年4回にします。11月・2月・5月・8月の第1火曜日で始めます。ご意見、ご希望がございましたら、何なりと申しつけください。

参考資料 
『カルトになれ!~顧客を信者にする7つのルール~』著者マシュー・W・ラガス他

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