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企業税務、M&A税務などを含む幅広い分野の税務コンサルティングをはじめ企業のビジネスパートナーとして重要な経営課題の解決を支援します。

「なぜ、オレはあんな無駄な時間を・・・・。」(三井寿)と掴みはバッチリですが、内容が伴うかはわかりません。今回のテーマは「変わりたい!」です。個人でも、企業でも良くなりたい、変わりたいと思っています。しかし、何かがその邪魔をするのです。それは・・・。

会社を良くしたいと思うことは、きっとどの経営者も考えることです。しかし、その考えを維持するには大変な努力を必要とします。なぜ、そんなにも大変なのでしょうか。
1 日々の業務に忙殺されてしまう。
2 従業員の協力を得られない。
3 変化を試みたときに、あちこちで問題が発生して心が折れてしまう。
その他にも、変化を試みたときに、その変化をさせまいとした力が働くのを感じるたはずです。
なぜなら、長年にわたるその企業におけるやり方や考え方は、社長にも、従業員にも染みついているからです。それでも、皆「変えなくてはいけない」と思っています。

変化を推進するときの過ち
過ちその一 従業員の現状満足を容認する。
収益基盤が脆弱な中小企業にとって、危機意識を植え付けることに苦労はしないと思いがちですが、いやいやどうして、これが難しいのです。このままなら半年後に事業資金が枯渇してしまうことがわかっていても、なかなか動き出せないものです。
いろいろ思い当たる節がありますね。社長は、かなり焦っています。しかし、なかなか事が進まない。もし半年の間、全社員が団結して努力をすれば、大きな変化を生み出せるはずです。3ヶ月でも何とかなるかもしれません。経営者を中心に一致団結して現状を変化させることが簡単にできるならば、倒産企業はずいぶん減るのではないでしょうか。
このような明らかな危機の場合ではなく、数年後が不安な経営者も多くいます。今そこにある明らかな経営危機でさえ、変化することが難しいのに、数年といったスパンがある場合の危機感を社員に植え付けるには並大抵の努力では成し遂げられません。そして、変化に対する十分な危機感を盛り上げないうちに改革が始まってしまうことで更に不幸が増大します。全てが中途半端で、前よりも悪くなります。

過ちその二 変革推進のための連帯を築くことを怠る。
企業を変化させるために特別なチームを作る時、そのチームのリーダーに社内でも重要な人物を入れなければならないと考えるものです。
例えば、社内において、少なくとも一人は実績もあり、社内での信頼の高い「藁」という人物がいたとします。経営者が彼を口説き、「藁」はチームで協力してくれること約束します。しかし、その様な人物が、もし「変化しなければならないという意思」を持っていなければ、そのチームは何の変化ももたらしません。「藁」という人物の実績や信頼が、変化の足を引っり、妨害する人物となる可能性が高くなるのです。なぜなら「藁」という人間は、現状でトップの成績を上げ仲間からの信頼が高い人物なのですから。現状満足が高い人間に変化を望む方が酷というものです。
経営者はこの「藁」という人物が変化のためのチームに必要ないという決断を下し、メンバーから外し、彼がいなくても変革が可能であると経営者自身が自らを納得させます。しかし、最終的には、この重要な人物の人事問題(退職勧告)を早く取り組んでいればと思うことになるのです。

企業の変化に必要なのは、マネジメントか?リーダーシップか?
マネジメントを定義すると「人材と技術を管理する複雑なシステムをつつがなく進行させるための様々なプロセス」とします。
リーダーシップを定義すると「まず、組織を作る。あるいはその組織を激しく変化している環境に適応させる様々なプロセス」とします。
マネジメントでは、混沌とした状況を嫌い管理できる範囲でしか変化は訪れず、経営者が期待する変化は訪れません。
あなたは、どちらのタイプを変革のリーダーに選びますか?

過ちその三 ビジョンの重要性を過小評価する。
ビジョンを提示せずに、変革に着手する場合には、2つの方法があります。一つは、「やれ、できなければクビだ!」といった方法(権威主義)と、従業員が何をしなければならないかを事細かく指示する方法(マイクロマネージメント)です。
とても小さい会社であれば、この権威主義による方法も可能です。しかし、少し組織が大きくなると急激に難度があがります。組織内のあちこちで抵抗勢力が生まれ、犯人も特定できない状況です。権威主義では、犯人を捜して追い出せば抵抗勢力が増長を防ぐことができますが、そのうち誰もいなくなってしまう危険性もあります。
マイクロマネージメントも、社員が五人くらいまでは何とかなると思いますが、少し多くなると社員全員が指示待ち状態となり、指示がなければ何も進みません。
またビジョンが必要な理由の一つとして、やはり経営者も迷っているという事です。迷い苦しみ前に進むときに目印がなければ、羅針盤がなければ組織は疲れ果て、無気力状態になりますね。陣頭指揮をしている社長だって同じです。明確な目的地を文章で言葉で社員に理解させ、経営者自身も納得することで、変化を促進する行動ができるのです。
ビジョンがなければ社員はどこに向かっているかもわからず、経営者の気まぐれだと思うだけでしょう。そんな状態で全社一丸となって良い変化を生み出せるでしょうか。私なら協力するフリをするだけです。なぜならどこに向かっているのか、何をしなければいけないのか理解できないからです。

過ちその四 従業員にビジョンを周知徹底しない。
経営者から一貫したメッセージを発信することもなかなか難しものがあります。そして経営者が変化に対して積極的に支援しない限り、いかなる改革も達成できません。そして経営者が変革を提唱し、変革が必要だと部下をどんなに説得しても、経営者自身が行動を変えなければ、社員達はあざむかれたとと感じ、陰で批判し、変革など進むはずもありません。
変革したいという意思は、言葉だけになっていませんか。多くの人は、言葉を信用しません。行動を見て納得するのです。ビジョンを掲げ行動によって、企業の隅々までビジョンを浸透させなければならないのです。

過ちその五 新しいビジョンに立ちはだかる障害の発生を許してしまう。
むむむ。

過ちその六 短期的な成果を上げることを怠る。
中小企業において経営者を中心に変革を推進する過程で、最も重要なことは短期的な成果を従業員が確認、認識できることです。
「この道は間違っていない!」と思えることが、社員や経営者の大きな心のよりどころとなるかを理解できるはずです。短期的成果を確認できれば、批判勢力の増長を防ぐことにもなります。
だから、変革の為の行動をスタートする時には、第一段階の成果を社員全員が理解するとともに、最初から計画に織り込んでおくのが良いでしょう。
その第一段階の成果に全員が集中するようリーダーは注力します。
文章で書くのはたやすいですが、日々の業務に取り組みつつ、新たな施策を実行するのですから、大きなパワーが必要です。

過ちその七 早急に勝利を宣言する。
運良く第一段階の成果にたどり着くことができたとき、過信してはいけないと言うことです。「後は、任せておいて十分」なんて、思っていると直ぐに元に戻ってしまいます。
なぜなら住み慣れた前のやり方の方が楽なのですから。

過ちその八 変革を企業文化に定着させることを怠る。
常に変化するということを企業文化として定着できていなければ、その小さな変革は消え去ってしまい元の企業に戻ってしまいます。変化を企業文化として定着できれば、経営者は何もしなくて良いことになります(ちょっと、言い過ぎです)。

大規模な変革を推進するための八段階のプロセス
1 危機意識を高める。
2 変革推進のためのチームを築く。
3 ビジョンと戦略を生み出す。
4 変革のためのビジョンを周知徹底する。
5 従業員の自発を促す。
6 短期的成果を実現する。
7 成果を生かして、更なる変化を推進する。
8 新しい方法を企業文化に定着させる。

参考文献 
『企業変革力』(著 ジョン・P・コッター)

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